昭和57年に島根県で開催された「くにびき国体」で、益田市が馬術の会場となり、それ以来、会場跡地の「益田市立馬事公苑」は、乗馬クラブをはじめ、特別支援学級や養護学校の児童・生徒のホースセラピーの場として市民から愛されてきました。その馬事公苑が、施設の老朽化、市の財政健全化の影響を受け、存続が困難となり、各種学校や、教育関係者、障がいを持つ子どものご家族さんからは、廃止を惜しむ声が多く寄せられました。
 益田圏域では、障がい者の就労支援施設が少なく、特に障がいをお持ちの方が、自立に向けた訓練をする施設が不足しています。
 そこで、行政と医療、福祉が力を合わせ、特別支援学級や養護学校に対する支援を行う場、また就労継続支援A型事業所として、馬を使った事業を運営することになり、就職先にもなり得る複合施設として生まれ変わることとなりました。
 一方益田市には、昭和22年より55年間存続した、日本でいちばん小さな益田競馬場、それ以前には日本のどこにでも見られた働く馬の姿があり、また人々が守りついできた地域のやぶさめ祭りもありました。
 益田市に脈々と流れる馬の文化を私たちの時代で絶やすことがないように、官民一体となって協議を行い、行政改革のモデルケースとなるように力を尽くします。